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空き家利活用事例のご紹介

由布市庄内町で、空き家4軒を買い取り、
自ら修復して民泊と賃貸住宅として活用

由布市庄内町櫟木(いちぎ)の日野正富さん(70歳)。
日野さんは、地元の庄内町を拠点に大分市などで便利屋業務の「すぐやる荷(か)」と、農業を営んでいる。
「すぐやる荷」の仕事は、庭の草刈りや庭木の剪定などから、家の中の手すりの取り付けや屋内外の修繕、大きな荷物の移動や処分など、高齢者だけでは大きな負担になる仕事の依頼が多く、高齢化と後継者不足から農作業の手伝いも増えている。
年々その高齢者の方が施設への長期入所や亡くなることで、お付き合いのあったお宅が空き家になっていくことが多くなった。

10数年前から日野さんの集落でも空き家が増えてきて、そのほとんどが高齢となったために県内外の子どもの家に転居して、実家の世話ができなくなり、そして一度空き家になってしまうと10年以上もそのままの状態になり、外観だけ見ても傷み具合が分かるほどになってしまう。

そんな中で襲ってきたのが、2016年の熊本大地震、そして年々回数を増す大豪雨や長期の猛暑。

屋根瓦のひび割れからの雨漏り、ゆがみ、床や畳の傷み、カビ、家財の散乱などにより、所有者の活用への意欲は一挙にしぼんでしまい、さらに放置状態になった空き家が日野さんのお宅のすぐそばにも。

「この先、もうこの家に帰ることもないし、修繕や取り壊しにも多額の費用がかかるのでどうすればいいのか」「土地代だけでもいいから」という所有者から相談が日野さんにも向けられてくるようになる。
近隣の放置された空き家は日野さんにとっても大きな悩みだったので、とりあえず買って、自分で管理をしながら時間をかけて修繕していけば何か活用の方法も見つかるかもしれないと、買い取りを決断。
大量の家財やゴミの片付けから処分、廃棄に始まり、「すぐやる荷」の仕事で習得した修繕などの技術で、本業の農作業や仕事の合間に少しずつ手直し。一番は極力お金をかけないことを心がけながらの作業。

そんな中、東京に住んでいる長男からの「民泊」の提案。庄内の田舎だけど、都会の人間や海外の旅行者からすると魅力的な環境なので、食事は利用者自らが作れるようにして、長期滞在もできるように価格を抑えた「民泊」をやったらどうかと助言があり、思い切って民泊に転換。

今、日野さんの自宅のそばには、「ゆふの家」と「鉄道と山が見える家」の2棟の民泊が完成。JR久大本線の電車がすぐそばを通り、全国的に有名な「ゆふいんの森号」や、クルーズトレイン「ななつ星」が目の前を通過。すぐわきの踏切まで行けば、なおさら楽しめる環境の民泊。家族やグループ7~8人でも十分利用できる間取りと広さ。

すぐ隣に家はなく、自由にゆったりと過ごせる田舎ゆえの自然と環境。国内からはもちろん、ネットサイトからのインバウンド観光で中国、東南アジアからの観光客が増えてきている。

日野さんの活動の話を聞いて、他の地域の知人からも相談があり、悩んだ末にさらに2棟の空き家を買い取り。もちろんこれも土地代だけでの買い取り。いずれも中の状態はひどく、修繕に3か月以上かかる。下地板(荒板)のやり替え、畳や襖の交換、外壁の塗装、屋根瓦の修復、水回り機器の交換、自分でできる箇所は休みの合間に自分で少しずつ。

この2棟もまた民泊用にと考えていたところ、一棟は地元出身で以前は借家に住まわれていた方が気に入って賃貸として入居。
もう1棟は地元の企業の社員寮として利用していただくことになり1棟貸し契約となった。

隣の挾間町には次々と新しく賃貸アパートができているが、庄内町は貸家もアパートも不足気味のようで2棟もその事情からなのかもしれないと日野さん。

空き家状態が長ければ長いほど所有者の精神的な負担は重くなる。残ったまま手つかずになっている家財道具の処分の手間や解体の費用を考えると、土地代だけで何とかしてほしいという他地域の高齢所有者から日野さんに相談もあるらしい。

日野さんが考える空き家購入(買い取り)の条件は、隣に家がない一軒家で、自分で修復可能な範囲の傷みであること、そして土地代相当での価格での買い取りということ。日野さん自身も70歳を超え、農業や「すぐやる荷」の仕事、加えて環境維持ボランティア活動など、体力的にも資金的にも限界がある
ので無理はできない。

一方で、屋根や外壁が庭には草が生い茂り、木々が倒れ掛かるような状況にあった空き家がきれいになり、そこに新たに人が住むことで交流が生まれ、それまではどこか淀んでいた空気がきれいになったと感じることでやりがいも感じるという日野さん。

日野さんの行動の特長は、長年の農業経験と「すぐやる荷」で培ってきた修繕などの知識や技術と人的ネットワーク、そして昔からの地域に日野さんの肌感を持って、所有者と空き家に対応していること。

壊してしまうことさえ難しいと悩んでいた昔からの知人4人の所有者の重荷を下ろしてあげることになり、新たに再生された4軒の住まいの事例が地域への波及効果となって広がっていくことを期待したいと思います。

日野正富さんのすぐやる荷
https://suguyaruka.com/

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